やる気のない部下を上手に育成するためのコミュニケーション方法

やる気のない部下を上手に育成するためのコミュニケーション方法

「部下のためにせっかく時間を使って面談やアドバイスをしているのに進捗がないので、時間を無駄にしているのでは…」と焦燥感を感じている上司の方へ。
やる気がなさそうに見える部下を「自分から動く部下」に育成するために意識したい3つのポイントについて解説します。

やる気のない根本原因にアクセスするには信頼関係が不可欠

部下が「やる気がない」ように見えるとしたら、それには理由があります。
仕事が好きではない、疲れている、やり方がわからない、意義がわからない、目標が明確でない、実は表に出さないだけでやる気は感じている、待遇や環境に何かしらの不満がある、など理由は無数にあります。
そこで大事になるのは、その理由を本音で話し合える環境を整えることです。
ひとは基本的に、安心感・安全感を感じる相手に本音を話します。
安心感を感じる雰囲気を作るには、声の高さや話すスピード、目を合わせることや柔らかな表情をつくることから始めます。自分自身が安心感を感じる相手をイメージし、その人の真似をしてみましょう。
部下の尊厳をリスペクトする意味を込めて、「時間を作ってくれてありがとう」「話してくれてありがとう」といった感謝やねぎらいを伝えましょう。ひとは自分が尊重されているとわかると安心します。
相手の話をさえぎらずに聞く、「それは大変だったね」「つらかったね」「嬉しかっただろうね」などの傾聴、共感、肯定、といった方法も大事ですが、まずはそこからです。

信頼関係がベースにあってこその、目標設定

「やりたい」と思える目標があり、目標が具体的で明確で、目標までの困難を解決することができそうだ、と感じられれば、部下に「やってみよう」という気持ちが芽生えます。
部下の本当の欲求や、本心からの目標を引き出すためにも、信頼関係は不可欠です。
目標設定では部下から見た目標とその理由、上司から見た目標とその理由をシェアしあい、同じ方向を向いていることを確認します。
時々、「あなた(部下)が決めたならそれで良いよ」と自主性を重んじる(?)放任タイプの上司の方もいらっしゃいますが、これでは何のために上司と共に仕事をしているのかお互いわからなくなり、目標設定も話し合いも形骸化します。
部下の成長にもなるし、共通の方向(おそらく事業をドライブすること)を向いている目標として上司が「いいね!」と思えるかどうか、お互いの意見をシェアしながら確認してください。
目標設定の仕方は、スマートゴール(具体的か、測定可能か、実行可能か、意味があるか、期間設定がされているかを確認する)や、ミラクル・クエスチョン(上手くいっている場面を想像すると今とどんなところが違うか)などを使って明確にしていきます。

世話焼きタイプの上司だと、あれもこれもサポートするあまり上司がパンクしてしまいがちですが、目標達成までの困難・障害を取り除くサポートをするのが上司の役割です。
上司が何でもしてあげるのでなく、一緒に考えることもサポートになります。
部下が自分で考えるきっかけになる、気づきをもたらす質問をいくつか覚えておくといいでしょう。例えば、「今までやったことで上手くいったことは?」「今までの困難はどう乗り越えてきた?」「まだ試していないことはある?」「達成した状態が10なら今はどの位置にいる?どうなれば1進んだと思える?」などの質問の仕方があります。

育てる側の自己分析やメンテナンスは必須

親が子供を育てるのも苦労するのに、そもそも生まれも育ちも趣味も価値観も考え方も異なる他人が、一人の人を育成しようとしているのですから、健全に育成しようと思ったら、育てる側の自己分析やメンテナンスは必須です。
まずは、自分の「部下」としての体験を振り返りましょう。自分にとって、やる気を引き出してくれた上司とはどんな上司だったか?どんな上司の言動、雰囲気、セリフ、出来事などが自分のためになったか?を振り返り、今の自分の言動と乖離がないかみてみましょう。

自分自身の成長とメンテナンスのために、コーチングやカウンセリングを受けることで自分の現状を客観視したり、心を整えることも、大きく役に立ちます。
身近に適切な人がいないときは、EASE Mental Managementにあなたのサポートをお任せください。