なぜ「準備しない」こともカウンセリングの効果的な受け方なのか

なぜ「準備しない」こともカウンセリングの効果的な受け方なのか

初めてカウンセリングを受けることになり、「結構高額だし、1時間は意外と短いので、きちんと話して問題や解決策に辿り着けるだろうか」「うまく話せる自信がなくて不安だ」「効果的な受け方はあるのかな?」と心配している方に向けて、カウンセリングの効果的な受け方について解説します。

カウンセリングをスムーズに進めやすくなる情報とは

カウンセラーがカウンセリングをスムーズに進めやすくなる情報には、以下のようなものがあります。
相談機関によっては、相談の前に「受付票」などを書いてもらい、以下のような質問を聞かれることがあります。
もし、事前の質問票がなかったとしても、たいていの場合カウンセラーは以下のような質問をしながら、相談者の困りごとを解消する方策を探っていきます。
以下のような情報があると、相談者自身のこと、置かれた状況、大変さ、対策などをカウンセラーが想像するのにとても助かるからです。

1)どうなりたいか、解決後の姿

問題や課題が解決した後、望みが叶った後、もしくはカウンセリングを受けた後に、どうなっていたいか。
課題が解決した後の状態について、具体的にお互いがイメージできるようにすることは重要です。
たとえば、「仕事のモチベーションが上がらない」ことで困っているとしたら、その反対は「仕事のモチベーションが上がっている」「仕事のモチベーションが上がらないことで悩んでいない」という状態になります。しかしそれだけでは具体的にどんな状態なのか、お互いにイメージするのは難しいでしょう。
もし、困りごとがなくなったとしたらどんな風に過ごしているか代わりに何をしているか、が解決後の姿のヒントになります。「◯年前の◯◯の仕事をしていた時のように、毎日、仕事をするのが楽しみになり、朝も早く起きられて、やりたいと思える仕事に集中して取り組んでいる」「◯◯さんのようにいろんなイベントやプロジェクトに加わって主要メンバーとして活躍している」、など、どんな状態を目指しているのか、について一緒に確認していきます。

難しく考える必要はありませんが、悩みが解決した後のなりたい姿なりたい状態を考えておく、というのもひとつです。

2)カウンセリングで何をしてほしいか

初めての利用では、そもそもカウンセリングで何をしてもらえるのかわからない方も多いと思います。
そういう方であっても、何かしらのイメージを抱いてカウンセリングに来てくださっているはずです。
「漠然とでもいいので、今日、カウンセリングでこんなことをしてもらえたらいいな、と思っていたことはありますか?」と初めての方にはよく尋ねます。すると、
「とにかく誰かに話したい、聞いてもらいたいと思って来ました」とか、
「ある出来事があってから気持ちの整理がつかないので、この気持ちの整理がしたいなと思って来ました」とか、
「カウンセラーの方から見たらどんな解決法があるのか、意見が聞きたいなと思って」とか、
「ずっと悩んでいることについて、治したいなと思って来ました」とか、
「一緒にこの悩みに取り組んでくれる方がいたら違うんじゃないかなと思って」とか、
「自分自身のこころを定期的にケアしたり成長させたりする機会を持ちたいと思って来ました」など、
意外と、人によってカウンセリングに求めているものが違うことがわかります。

自分はカウンセリングでカウンセラーにどんなことをしてほしいのか、あらかじめ考えておいて伝えると、カウンセラーとの間ですれ違いが起こるのを防げます。

3)何に一番困っているか、もしくは(解決)したいことは何か

カウンセラーと一緒に取り組みたいこと、相談のテーマも、カウンセラーがぜひ知りたいことのひとつです。自分が考える相談したいこと話したいことなど、上手くまとまっていない状態で構いません。
あわせて、身体や心につらい症状は出ていないか、たとえば「夜眠れないことが続いている」とか、「朝起きにくい」「頭痛がある」など、心身に起こっている変化があれば教えてほしいと思っています。医療機関も使った方がいい、など、体調に合った適切な提案ができるからです。

自分が話したいこと、取り組みたいこと、困っていること、について上手く話せるかな、と心配なときは、可能であればメモの形にしておくとよいかもしれません。

4)今までの経緯

悩みや困りごとが起こったのはいつからか、どのくらい続いているかきっかけはあったか、自分ではその原因や意味をどう感じているか、などについても聞くことがあります。
ただし、この部分はとてもデリケートに扱うことが多い部分です。思い出すのも不快になること、思い出したくないこと、話すことがためらわれること、なども多いでしょう。無理をせず、話したいことはもちろん伝えてほしいですが、カウンセラーも安全なタイミングをはかっていますので、自分で深堀りをしなくても大丈夫です。

5)今までどんなところに相談したか

所属先や家族構成、友人・恋人などの助けになってくれる人の存在や、今までに誰かに相談したことはあるか、医療機関(メンタルクリニックなど)を受診したことはあるか、カウンセリングを受けたことはあるか、というのも、相談者の普段の環境や、カウンセリング外でのサポートを考える上でカウンセラーが知りたいと思っていることです。

また、今回カウンセリングにきたのは、何がきっかけで相談に来ようと思ったのか、この相談機関はどうやって知ったか、選んだ理由は何か、ということも、相談者の強みや価値観、カウンセリングへの期待につながることが多いので、相談者をよりよく知るために知りたい情報です。

もちろん、相談機関によってカウンセリングのやり方、進め方は異なるので、全てのカウンセラーが上記のような情報があるとよいと思っているとは限りません。しかし、上記のような情報があると、相談者のことを理解する手助けになるのは事実です。
もし、カウンセリングで相談する前に「何か用意しておいた方がいいかな」「効果的な受け方を知って、効果的に時間を使いたいな」と気になる場合は、上記を参考に準備しておくのもひとつです。

なぜ「準備しない」こともカウンセリングの効果的な受け方なのか

そして、強調しておきたいのは、上記がまとめられていなくても何の問題もない、ということを強調したいと思います。
カウンセラーは「アセスメント」と言って、相談者の状況を把握するのに必要な情報を自然に尋ねていくプロなので、何も気にしなくて大丈夫です。究極的には、カウンセリングには準備は必要ありません
実は「うまく話せない」ということも、カウンセラーから見ると一つの情報です。とても混乱していたり、状況が複雑だったり、話すのが苦手だったり、といった様々な背景があって「うまく話せない」のだということも、カウンセラーが相談者を支援していくための大事な情報だととらえます。なので、取りつくろったり、うまく話そうと緊張したりせず、そのままの状態を見せてもらえればよく、相談者の全体を大きな意味で把握できることにつながりますので、特に準備せず来ていただければ大丈夫です。

なにか準備をしておきたい場合は上記を参考に、そうでなければ何も準備せず、気軽に、気楽に、カウンセリングにいらしていただけたら嬉しいです。

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