職場のADHDにどう対応する?(注意欠陥多動性障害、注意欠如多動症)

職場のADHDにどう対応する?(注意欠陥多動性障害、注意欠如多動症)

仕事でこんな「できない」を抱えていませんか?

あなたの周りや、あなたの部下、もしくはあなた自身に、こんなことは思い当たりませんか?

・集中できない
・計画を立てたり、計画的に進めることが苦手
・人の話がうまく聞けない
・必要なことになかなか手をつけられない、先延ばしにする
・忘れっぽい
・飽きっぽくて続かない
・感情や欲求のコントロールが難しい
・怪我や事故にあうことが多い

これらの一部や、全部に当てはまる、と感じる人もいるのではないでしょうか。
もしかすると、背景にはADHDの特性があるかもしれません。

ADHD(注意欠陥多動性障害、注意欠如多動症)とは、一部の人のもの?

ADHD(注意欠陥多動性障害、注意欠如多動症)は、発達障害のひとつです。
不注意(集中できない)、多動性・衝動性(落ち着かない)を主症状とする、生まれつきの脳の機能の偏りです。
有病率は、こどもの約5%、成人の約2.5%に見られる(DSM-5)とされています。
このようにいうと一部の人だけに関係するもので、遠い世界のもののように感じるかもしれません。
しかし、発達障害というのは「スペクトラム=連続体」であり、特徴を少しだけ持つ人から非常に持つ人まで、繋がった(連続した)構造になっています。
発達障害の特徴を持つけれど診断はつかない「発達障害グレーゾーン(診断閾下群)」を含むとさらに多くの人が発達障害傾向、発達障害特性を持ち、つらさや仕事のし難さ、生活のし難さを感じています。

仕事であきらかになる『大人のADHD』とは

職場では、例えば「ケアレスミスや頼んだ仕事を忘れることを繰り返す」「モチベーションにムラがあり、得意な仕事以外は完遂できない」「頑張っていたかと思えば、急に電池が切れたように出社できなくなる」「机周りなどにモノが散らかっていて、すぐに書類などがなくなる」「職場の人間関係やコミュニケーションがうまくいかない」などとして現れることがあります。
こうした問題が起こったときに、その人・または自分がADHDかどうか、ADHDの診断を受けているかどうかが重要なのではありません。
ADHDの特性を持っているかもしれない」ということに気づき、それに合わせた対応の仕方を、自分も周囲の人も工夫することが大事です。

強い集中困難や多動を持っていて、本人の困り感が強い場合は、発達障害を診ている精神科などで診断と処方をしてもらい、薬で症状をコントロールすることもできます。
しかし、先に述べたように、ADHDは生得的な脳機能の偏りによるものとされており、薬は「治す」ものではなく症状を抑えるためのものです。
環境調整や工夫などで、その人が持つ能力をフルに活用して、活躍できる状態を作っていくことがとても大事です。

職場の部下にADHD特性があったら

ADHDの特性を持つ本人が、仕事や生活上の不便をカバーするライフハック(工夫の仕方)は、書籍やネット上に沢山の情報があります。
(このコラムを書くにあたって沢山読みましたが、『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』『マンガでわかる 私って、ADHD脳!?』などの書籍は具体的な方法が沢山載っているのでお勧めです)

私は普段、働く人のカウンセリングやコーチングをしていますが、仕事においては、職場の上司が発達障害やADHDについての理解があるか、または、上司が色々な個性を持った人にパフォーマンスを上げてもらうという目的でマネジメントする姿勢があるかどうかが、こういった特徴を持つ部下の働きやすさに繋がっているように感じます。
もし、あなたの部下がADHDの特性があるかもな、と感じたら、こんな工夫をしてみてほしいと思います。

・仕事の指示は、全体像(大枠の目的、何のためにやるのか)を含めて提示する。全体の目的と、本人の作業がどのように役に立つのか(「あなたの役割が必要だ!」ということも含めて)を提示して、業務に意味を持たせる。
・口頭だけ、文面だけよりも、図・イメージなどの視覚的に捉えやすい情報で提示する。
・業務計画を立てるのが苦手そうであれば、必要なタスクや作業手順の目処が立てられるよう支援する。
・業務進捗に不安がある場合は、こまめに業務進捗を報告してもらう仕組みや機会をつくり、仕事の完成度を数字で表すようにする。(※マイクロマネジメントをする、という意味ではありません!)
・「お疲れ様!」「よく出来ているよ!」など、成果に対してこまめなフィードバックをする(モチベーションの維持に繋がります)。
・締め切りは余裕を持たせる。「2週間後まで」ではなく、「◯月◯日◯時まで」と具体的に指示する。ケアレスミスが気になる場合は、その余裕の時間を使ってチェックしてもらう、またはダブルチェックできる体制を作る。
・得意なことと苦手なことがハッキリしているので、ジェネラリストよりもスペシャリストとして強みを活かすことを検討する。

などです。
ただ、上司側が譲歩しすぎるということではなく、「会社としては(もしくは自分としては)、◯◯をしてほしいと思っているのだけれど、どうでしょう?」「自分は◯◯だと思うのだけれど、△△さん(部下)としてはどう?」など、伝えたいことを伝えながら相手の意見も聞く、双方向のコミュニケーションでパフォーマンスと働きやすさを調整されると良いと思います。

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