もっと成功したい…でも何が成功を阻んでいる?
『ワーク・ライフ・バランス』が当たり前のものとして認識される昨今。もちろんライフの部分は重要ではあるものの、「もっと仕事で成功したい」「結果を出したい」「挑戦して大きな成果をおさめたい」と思われるビジネスパーソンの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのせっかくの意欲を阻んでいるものは何でしょう?次の一歩が何かわからない?いざという時に自信がなくなってしまう?それとも本当は成功して今の生活が変化してしまうことへの不安があったり、実は頑張ることが億劫に感じていたり…ワーク・ライフ・バランスを考えると一歩踏み出せない、など様々な理由で次に進めず、かと言って現状に満足することもできず、日々悶々と過ごしていらっしゃる方もいるのではと思います。
前進を阻む感情とは何か
多くの場合、挑戦を止めてしまう主な感情は「不安」です。失敗したらどうしよう、本当に成功するのだろうか、自分に能力はあるのだろうか、何か悪いことが起こるのではないだろうか、このやり方で合っているのだろうか…考えれば考えるほど、様々な不安が出てきて考えることが増え、前に進む推進力を低下させます。不安という感情が出てくるのは、危機管理能力としては正しいことです。不安という感情は、あなたを失敗させまいとしているのです。しかし、この感情はリスクを過大に評価させ、時に客観的に考える力を低下させます。折角出てきた「挑戦したい」という気持ちは「不安」に押されてどこかに消えてしまったかのように感じる人もいるでしょう。
カウンセリングから見える、こころのメカニズム
私がカウンセリングやコーチングでよくお伝えするのは、「挑戦したい」自分と「不安」に思う自分、あなたの中に両方の自分(「パーツ」と呼んだりします)がいるのですね、ということです。普段カウンセリングをしていて感じるのは、大抵の場合、「挑戦したい自分」はエネルギーと創造力と好奇心の塊であり、ビジネスを推し進める推進力の役割を担っています。一方、「不安に思う自分」はリスクヘッジや常識や他の人からの目、社会性などを担当し、どちらかと言えばブレーキの役割を担っているのですが、大事なことはこの「不安に思う自分」もあなたを失敗から守ろうとする、あなたの役に立ちたいと願うパーツだということです。カウンセリングやコーチングでよく行うアプローチとしては、この「不安」を司るパーツから話をよく聞き、このパーツに安心してもらいます。すると、このパーツの良いところ(リスクヘッジの力)は残したまま、「不安」な気持ちがおとなしくなり、安心の感覚が出てくると同時に、代わりに「挑戦したい」自分のパーツが再び主権を握るということがよく起こります。安心感が出てくると挑戦したくなる、というのは普遍的な現象のように感じます。
不安な気持ちに対処する方法
上記から導き出せる挑戦を阻む気持ちへの対処法の第一歩として、不安の明確化が挙げられます。不安の明確化については聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。自分が何を恐れているのか、一般的な方法としては書き出してみることです。無事書き出せて明確になる場合はそれも良いと思います。ただ、この不安というのは厄介なもので、向き合うことも億劫に感じられたり、そもそも冷静に考えることを難しくさせるので、混乱して上手く考えられないということが起こることも普通です。そこでお勧めしたいのがカウンセリングで使われるパーツワークというやり方で、「不安を感じるパーツに語ってもらう」という方法を取ります。この方法を取ると、彼ら(パーツのことです)は大抵雄弁にどうしたらいいのかを語ってくれます。不安な気持ちの客体化が起こり、あなた自身が不安な気持ちと適切な距離を取り、上手く扱うことが可能になりやすくなります。上手く書き出せないという場合は、カウンセリングでパーツワークを行ってみるのも一つの方法です。
おわりに
あなたは今、何かを変えようとしていますか?もっと仕事で成功したい、と思いつつ、二の足を踏んではいないでしょうか。今まで経験していない新しいことを行う際や、何か変化しようとする際に、不安な気持ちはつきものです。ただ、もし不安が足枷になっているようであれば、多くの場合その不安に対処することは可能です。
あなたの中で、あなたが活躍するのを待っている、「挑戦したい」自分の声を引き出し、自分の持つ可能性とエネルギーを十二分に発揮してもらうサポートをEASE Mental Managementではおこなっています。

EASE Mental Management 代表、働く人と企業のメンタルヘルスケアとカウンセリングが専門の 公認心理師 / 臨床心理士。精神科・心療内科クリニック、EAP(働く人のメンタルヘルス支援)企業、株式会社ディー・エヌ・エー 専属カウンセラーを経て開業(カウンセラー歴19年)。