気が乗らないパターン⑤ 結果に魅力を感じず、面倒なとき
幼い頃の宿題や、仕事の上でのルーチンワークなど、
それをしたからといってプラスの結果がすぐに目に見えるわけではないとき、
作業をするのが面倒で、ついつい後回しにしたり、
一時的に気を紛らわせるもの(ゲーム、間食、お酒、タバコなどの嗜好品など)に
気持ちがそれてしまったことが、誰しも一度はあるのではないでしょうか。
自制して仕事をまっとうしなければ、と気持ちを奮い立たせるものの、
なかなか進まずに自分を責めたり、自分を情けなく思うこともあるかもしれません。
宿題やルーチンワークに意義を感じ、楽しんでできれば一番良いのですが、
「後で損をするのを避けたい」ということがモチベーションの場合、
〇〇を避けたい、〇〇になりたくない、という「回避」のモチベーションは、
〇〇したい、〇〇になりたい、という「接近」のモチベーションよりも、
長続きしにくいと考えられています。
かける労力>得られる結果、に感じられる課題の時、
なかなかモチベーションが上がらない場合は、どうすればよいのでしょうか?
・「試しに〇〇(だけ)してみよう」で行動する
作業に取り組む前に、色々頭で考え始めると、
どうしても「(かける労力>得られる結果)=面倒くさい⇒やらない」
の思考になりがちです。
あれこれ考えるのを止め、
「とりあえず、作業ファイルを開いてみよう」
「試しに冒頭だけ作業してみよう」と、
「試しに◯◯だけ(行動)してみよう」のスタンスで動いてみましょう。
◯◯、は負担に感じないほど小さなステップであること、
また、必ずなにかしら身体を動かしてみる、行動してみる、という点がポイントです。
・環境を変える
カフェに行ったり、部屋を変えたり、作業する以外に選択肢がない、という
環境にしてしまうのは、もちろん有効です。
また、作業をスタートしようと思ったときに、労力をあまりかけずに
とりあえずやれてしまう、という状態になるよう、身の回りを整えてみましょう。
例えば、必要な資料は一番作業場所に近いところに置いておく、
フォルダやファイルをすぐに開けるようにしておく、などの工夫もできます。
・他のテンションが上がるものと組み合わせる
例えば、その仕事の日の昼食は高級弁当を食べる、
普段は行かないホテルのラウンジやオシャレなカフェで仕事をする、
好きな仕事仲間(メンバー)とのミーティングを挟む、
少しリッチなコーヒーを飲む、
使う小物を見るだけで気分が上がるものに買い換える、など、
自分にプラスの感情をもたらすものと抱き合わせにすることで、
「回避」のモチベーションではなく、長続きする「接近」のモチベーションを
組み入れてしまうのです。
思い悩んだり、無理やり奮い立たせて頑張ったりすることは、
自分で感じている以上にエネルギーを消費するものです。
「行動」や「プラスの感情」を自分に合ったやり方で組み合わせて、
面倒な仕事もうまく乗り切れるといいですね。
EASE Mental Management 代表、働く人と企業のメンタルヘルスケアとカウンセリングが専門の 公認心理師 / 臨床心理士。精神科・心療内科クリニック、EAP(働く人のメンタルヘルス支援)企業、株式会社ディー・エヌ・エー 専属カウンセラーを経て開業(カウンセラー歴17年)。