仕事に気が乗らないパターン③ 〇〇すべき>〇〇したい、になっているとき
例)Cさんは昔から、あまり周囲に迷惑をかけない、いわゆる“良い子”でした。
成績も比較的良かったCさんは、親や周囲の勧めもあり有名な大学に進学し、卒業後は有名な会社に就職しました。初めは新しいスキルを習得するのも楽しく、やりがいを持って仕事をすることもできていました。しかし、次第に、今おこなっている仕事のどこに意味や価値を見出せば良いのかわからなくなり、仕事へのやる気がわかなくなってしまいました。
このパターンは、企業のカウンセリングでよく見られる典型的なパターンです。
Cさんのようなタイプの方は、たいていの場合とても努力家で、周囲の期待を汲む洞察力や協調性に富み、人に迷惑をかけることを嫌います。
真面目に頑張るため優秀な方が多く、周囲からは上手く仕事をしているように見られますが、本当はモチベーションが上がらないのに仕事をしなければならないので、毎日ギリギリの状態です。
そのため、ふとしたきっかけで体調を崩す方も多いのです。
自分が本当に望んでいる価値観や欲求に向かっているときは、自然とモチベーションは高まります。
しかし、「〇〇したい」「〇〇になりたい」という気持ちから仕事をしているのではなく、「〇〇すべき」「〇〇しなければならない」状態になっている場合、モチベーションは上がりにくいものです。
上記のようなケースでは、その仕事の中に「意義」や「やりがい」を見出すのも一つの方法でしょう。改めて考えてみると、その仕事の中にも自分のモチベーションの源となるポイントが隠れていたことに気づき、道が開けていく場合もあります。
一方、その仕事の中には自分の本当に求めていたことは無かった、と気づくこともあります。
どちらにせよ、こういった場合では、一度時間をとって自分の価値観や欲求を見つめ直し、自分の意志で仕事と折り合いをつけることが大切です。
この、腑に落ちる感覚や、仕事に対する納得感を得るには、家族や友人、先輩や上司などの心を許せる人に相談することの他、こころの専門家である臨床心理士や、キャリアコンサルタントなどの専門家が助けになるでしょう。
EASE Mental Management 代表、働く人と企業のメンタルヘルスケアとカウンセリングが専門の 公認心理師 / 臨床心理士。精神科・心療内科クリニック、EAP(働く人のメンタルヘルス支援)企業、株式会社ディー・エヌ・エー 専属カウンセラーを経て開業(カウンセラー歴17年)。