心理療法の国際学会(SEPI)に参加してきました

心理療法の国際学会(SEPI)に参加してきました

1週間お休みをいただき、トルコ・イスタンブールで行われた心理療法の国際学会SEPI(Society for Exploration of Psychotherapy Integration 2025年10月10〜12日)に参加してきました。

カウンセリングやコーチングと一口に言っても、実は様々なスキルが使われています。一つの料理を作るのに、色々な材料やスパイスが使われているように、一つの課題に取り組むにあたって、その課題に適した心理技法があり、理論を含めた体系立った一つの介入方法のまとまり(料理のレシピのようなもの)を「心理療法」と呼びます。今回の学会は数ある様々なレシピ(つまりたくさんの心理療法)を統合的に見て、美味しい料理を作る共通要因って何なのだろう?(つまり心理療法に共通する要因って何なのだろう)とか、このレシピとこのレシピを組み合わせてどんな美味しい料理が(つまり効果的なセラピーが)できるか、など、そういうことを検討する学会です(ちょっとわかりにくいですかね…)。
もう少し料理で例えると、カウンセリングには「学派」があって、言わば「私は中華料理のシェフ」「私はイタリアンのシェフ」「私は和食のシェフ」など流派が分かれています。しかし、私が実践する“心理療法統合”というやり方では、そもそもの美味しい料理に共通するものを抽出してそれに基づいてセラピーをおこなったり、美味しいのだったら流派にこだわらず、来てくれた方が一番満足するように、中華もフレンチもタイ料理も組み合わせた「あなたが満足する料理」を提供する、そんなイメージです。

前置きが長くなりましたが、そんな“心理療法統合”に取り組む世界中の心理臨床家が、自分達の取り組みや研究について発表したり、情報交換をしたりする場が今回参加したSEPI。開催国であるトルコの心理職が一番多く参加していましたが、アメリカ、イギリス、オーストラリア、チェコ、スイス、スウェーデンなど様々な国から来た心理職の皆さんと情報交換をして、世界標準の心理療法について見識が得られたことは私にとってとても大きな収穫でした。

今現在、日本で得られる心理療法の技術は十分世界基準であり、普段提供しているカウンセリングやコーチング、心理療法も、質の高い、世界標準の研究に基づいた心理療法を提供できているのだということも実感できました。

SEPI Closing

3日間、心理療法に関する様々なトピックについて発表がありました。

With Mick

いつも参考にしている『エビデンスにもとづくカウンセリング効果の研究』という書籍の著者、ミック・クーパーに会えたのもいい思い出です。とても気さくで優しい人でした。

イスタンブールの街には猫ちゃんがたくさんいました。みんな人に慣れているのか、近づくと寄ってきます。撫でようとしたら引っ掻かれました。