つらい体験は、からだが覚えている

ふとした瞬間に、昔の傷を思い出して胸が痛んだり、
客観的に見ればささいなことのように思うのに、居ても立ってもいられなくなったり、冷静さを失ったりしてしまう。
そんなことはありませんか?

つらい体験の記憶が、完全に過去のものにならずに、いま現在のわたしたちに影響を及ぼすことがあります。いわゆる“トラウマ”と呼ばれるものです。
トラウマというと、大きな事故や天災に会うとか、いのちに関わるような出来事の記憶のことをいうように思われるかもしれませんが、それだけではありません。
ふつうに生きている中でとても傷ついたこと、悲しかったこと、人知れず怖い思いをしていたこと、などの、大きく感情が動いた経験が、体の感覚をともなって記憶されていて、今のあなたに影響を及ぼしているということはよくあるのです。
こういった経験は、意識して思い出すことができないこともあります。
なぜだかわからないけれど、些細なことで自分がコントロールできなくなってしまう、といった場合、意識にはのぼってこない過去の体験が、感情やからだを通じてあなたを動かしている、ということもあるのです。

カウンセリングをしている中では「頭ではこうだとわかっているのだけれど、心の底からはどうしても納得ができない。腑に落ちていない感じがする。」「頭では理解できるのだけれど、体はザワザワした感じが残る。納得しきれていない感じがする。」などと、頭で考えていることとからだで感じていることが合っていない、と表現される方も沢山います。
「からだが覚えているつらい感覚」にアプローチすることで楽になっていく場合もあるのです。


今年の8月から、からだの感覚を利用し、神経系の調節からつらい記憶にアプローチしていく、Somatic Experiencing®︎のトレーニングに参加しています。3年間かけてさらに学びを深めていく予定です。

 

ボディ・コネクト・セラピーのトレーニングを受けました

7月20〜21日に『ボディ・コネクト・セラピー』という心理療法のトレーニングを受けてきました。

ボディ・コネクト・セラピーは、トラウマ・ケアの専門家である日本のセラピスト、藤本昌樹先生が数々のトラウマ・ケアの方法を統合して開発したセラピーの方法で、EMDR(トラウマ・ケアへの効果が確認されている最も知名度のある心理療法)の眼球運動や、TFT(鍼のツボにあたる場所を刺激する、効果の確認されている心理療法)の経絡へのタッピングなどが含まれている、従来のトラウマ・ケアのエッセンスが詰め込まれた心理療法です。

今までの研究と臨床の実践から、重要と考えられるポイントに基づいて開発されているので、同じく臨床家の私の目から見てもとても納得のできる方法ですし、実際に模擬セッションで何度も試してみる中で、不快な気持ちが下がり、気にならなくなっていくのがわかったり、考え方が自然と変わってきたことに気づいたり、と、変化がしっかり感じられる心理療法でした。

つらい経験の記憶を何とかしたいけれど、その出来事について話すのはつらいので話したくない、という相談者さんもたくさんいらっしゃいます。そのような方に、とくに負担の少ない心理療法だと思いますし、明日から早速とりいれて、相談者さんのお役に立てていきたいと思います。

右が開発者の藤本昌樹先生

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