ストレスチェックに見る、ストレスを軽減する方法

仕事も、家のことも、しなければならないタスクがいっぱいで、疲れているとき。なんだかストレスが溜まっているように感じるとき、どのように私たちはストレスをコントロールし、自分をケアするのが良いのでしょうか?

2015年から始まったストレスチェック制度は、50人以上の働く人がいる事業場に義務づけられたチェックなので、受けたことがある方も多いかもしれません。
このストレスチェックの結果の見方として、『仕事の量』と『コントロール(自由度)』と『サポート』の3つの側面から自分の心身の健康度を見る方法があります。

仕事の要求度コントロールサポートモデル

仕事で要求されること(ここでは仕事の量)が多く、自分で自由に決められる裁量(自由度)が少なく、そして助けてくれる人(サポート)も少ないとき、高いストレス状態となり、心身の健康の害しやすさと関連していることが明らかになっています。
このことは、Johnsonら(1988)の「仕事の要求度-コントロール-サポートモデル」として知られています。

さて、このことを踏まえて実際のはたらく人の相談を見てみると、とても興味深いことが見えてきます。
私は仕事柄、とても忙しい人の話もよく聞きますが、どんなに忙しくても、自分で自分の仕事をコントロールできる立場(裁量権を持った管理職など)の人や、上司やメンバーに話がしやすく、協力してもらやすい場合は、忙しくても案外やっていけるようです。
反対に、つらさを感じている人の話を聞くと、多忙に加えて、自分ではタスクが決められない(例えば子育てなども含めてmustでやらなければいけないことが多すぎる)場合や、周囲からの理解や協力が得られない、自分の感じているつらさを誰にも話せない・相談できない、という場合に、特につらさを感じていることが多いように感じます。
これは「(仕事の)要求度」「コントロール」「サポート」モデルで言われていることと、相談を受けている実感としても、とても合致していると感じるところです。

そこで、ご相談者の方とお話をするときに、私は時々、この「仕事の要求度-コントロール-サポートモデル」についてお伝えすることがあります。
自分の抱えているタスクで調整できそうな部分があったら上司や周囲の人に伝えて調整するのがいいと思いますし、相談できそうな人には相談してみるととてもいいと思います。もちろん、それはわかっているけれどできないから悩んでいる、という場合には、効果的な伝え方をお伝えすることも含めて、一緒に別の方法を考えていきます。
もうひとつ、おすすめするのは、1日1時間でも(難しい場合は30分でもいいので)自分の自由に使う時間をつくることです。バッファ時間、自分のために使う時間、自分の好きに過ごす時間を、自分のために作るのはどうですか、と伝えます。
この時間は、自分の好きに使えるという点が重要です。裁量を上げて、自分の主体性を取り戻すための時間なのです。
日々、一生懸命働いたり活動したりしているあなたが、自分のために1時間取ることの何がいけないというのでしょうか!…と熱くなってしまいますが、ブレイクをいれることで心身ともにゆとりが出て、より健康的に、クリエイティブに、能力を発揮できることと思います。

「要求度(求められていること)」「コントロール」「サポート」のどこかを変えられないか、つらいときには目を向けてみてくださいね。
そして「サポート」としていつもカウンセリングがあることを思い出してください。

【Q&A】働く人からの相談で多い悩みは、どのようなものですか?

Q:カウンセリングの相談は、どんな相談内容が多いですか。働く人たちは、どんなことで悩んでいるのでしょうか。仕事の悩みは、どんな悩みが多いですか。

A:参考になるデータがありますので、見てみましょう。
厚生労働省のH29年の調査では、仕事や職業生活に強いストレスを感じることがあると答えた労働者の割合は58.3%で、働く人の過半数が、なんらかの強いストレスを感じていることがわかります。
その内容をみていくと、仕事の質や量にかんするストレスが62.6%、ついで仕事の失敗や責任の発生などが34.8%、対人関係が30.6%です。

H29仕事のストレスの原因(H29労働安全衛生調査)

普段、ご相談をお受けしている中でも、「仕事が多すぎる」「高度な仕事内容を求められていて、精神的に休まらない」「つねに仕事のプレッシャーを感じている」「上司や同僚と合わない」などのご相談は多く、ご相談の内容と、上記の調査の内容は重なる部分が多いと感じます。
しかし、会社の業種や風土、制度、文化によって相談内容はさまざまであり、相談内容にその会社それぞれの特徴が出てくることも多くあります。
また、ご相談される方それぞれの背景、価値観、環境もさまざまですから、ひとくくりにすることは大変難しいとつねづね感じています。
EASE Mental Management でのご相談内容の一部については、こちらease-mm.com/service/ もご覧ください。

 

【Q&A】部下・メンバーの話を聞くときのコツを学ぶにはどうすればいいですか?

Q:少し前に部下ができ、管理職のような役割をすることになりました。
仕事の相談にはこたえることができるのですが、部下の悩みや人間関係、ましてや体調のことを相談されたりすると、どう答えたら良いかわからなくなります。
カウンセリングや傾聴の仕方、相談に乗るときのコツを勉強したいのですが、どんな勉強をしたらいいでしょうか?

A:部下の相談に真剣に向き合おうとしていらっしゃるあなたの気持ちが、まず素晴らしいなと私は感じました。自分の時間と労力を費やして、話の聴き方を勉強しようとされていること、とても応援したい気持ちです。
私の知っている範囲でのお答えになりますが、
●時間とお金がある程度かかっても良いのなら、「産業カウンセラー」の資格取得をお勧めします。https://www.counselor.or.jp/
●時間とお金はなるべくかけたくない、とお考えなら、「メンタルヘルス・マネジメント検定」のテキストで学ばれることをお勧めします。https://www.mental-health.ne.jp/

最近は色々な資格やスクールが出来ていて、私はそれらの全てに詳しい訳ではないので、中にはご希望の内容が学べる資格やスクールもあるかもしれませんが、正直それらの質のことは私はよくわかりません。

今後のキャリアに役立つこと、そして部下をケアする上で役立つ内容を学べるという点では、「産業カウンセラー」と「メンタルヘルス・マネジメント検定」が確かだと思います。

産業カウンセラーの資格を持って、会社の中で相談業務を行っている方は少なくないですし、一般的にも認知されている資格ですので、あなたのキャリアにとってもプラスになるのではと思います。産業カウンセラーは座学+実技(面接)のトレーニングがあるはずですので、企業で働いていて、今後も企業の中で話を聞く必要のある業務を担当されている方にはお勧めです。

メンタルヘルス・マネジメント検定のⅡ種、またはⅠ種も、企業の中で社員のメンタルヘルスケアを行う上で大切なことが網羅されています。テキストだけでは実技(面接)の部分が不安かもしれませんが、企業の中で面談を行う際に必要なことは、きちんと学べると思いますし、知っていることで自信になるのではと思います。
テキストも数千円で買えますし、検定試験も数千円〜1万円程度ですので、ご負担も大きくないかと思います。

あとは、弊社の研修ですね!
理論はもちろんのこと、実技・ワークを丁寧におこなうことで、仕事の場面で迷わない、面談の仕方、対応の仕方をわかりやすく伝えますので、貴社の困っている点を教えてください。その困っている点をピンポイントでカバーする研修・セミナーを、一緒に作っていきます 。

困ったらいつでもお手伝いします!

世界最先端の電子国家エストニアに学ぶ、これからの働き方

Forbes JAPANさんのイベント、「電子国家エストニアに学ぶ、働き方の哲学」に参加してきました。

バルト三国のひとつエストニアは、行政の(ほぼ?)全てのシステムが電子化されている世界最先端のIT国家だそうで、彼らの働き方、あり方に日本や世界の未来が見えてくるんじゃないか。そんな風に考えて、学びに行きました。
とても興味深く、新鮮な内容が沢山あったので、メモをシェアできたらと思います。

・最先端のIT国家だからといって、きらびやかなイメージではない。バックグラウンドのデータが、全て電子化されている。
・ブロックチェーン化されたデータは透明性が担保されているため、全ての人がチェックできるようになっている。なので不正ができない。信用することが可能。
・これからは信頼を重視する社会になっていく。

・エストニアには森が沢山あり、皆、森や島で遊んだりしている。
・人々の生活を豊かに、幸せにするために電子国家になった。エストニアの成功要因は、技術があったからではない。技術自体は日本の方が進化しており、技術者も日本の方が多い。何のために(=幸せのために)電子化をするのか、から始まったということは大きい。
・エストニアは人口約130万人。全て日本のマイナンバーのようなIDで一元管理している。
・Skypeはエストニアの企業。
・どうしたら日本の電子国家化が進んでいくか?何か新しいことを始める時に、「他の人がやっているかどうか」「既に事例があるか?」ということを気にしていると新しいことは進んでいかない。スタートアップのマインドセットを持つことが必要。「守らないこと」が企業の成長戦略の一番の柱になる。
・そのうち、社員という制度もなくなっていくだろう。プロジェクトベースの働き方が主流になっていく。
・個(自分のアイデンティティ)を守っていくためには、他と比較しないこと。自分なりの幸せを追求し、自分の幸せな生き方を追求していくことが大事。
・土地に依存しない生き方が主流になった時に、反対に人との繋がりは強くなっていくだろう。
・エストニアでは幸せを追求した時に、それはお金に寄らないものになっていく。
・誰にでもできる仕事は断り、他の人にもできる仕事はやらず、面白いからやる、というスタンス。
・時間という有限の、全ての人に与えられた資産を使い、どれだけ社会に変化を起こすことができるか、貢献ができるのか。
・変化を起こすときに、どう合意形成をするか。金、労(働く人)、言(マスコミ)と合意しておくことがスムーズな合意形成につながる。
・何かを決めるとき、合意形成をするときには違う意見が出てくることが当然で、その違う意見を交換して壁打ちして、合意を練っていくというプロセスが大事。

いかがでしょうか。
個人的には、「社員という制度がなくなりプロジェクトベースの働き方が主流になる」というのはなるほどなぁと思いました。複業解禁の企業も増えてきていますし、実際、既にプロジェクトベースで仕事を行っている企業や業種もたくさんありますものね。特に、最近は珍しいことではなくなってきているように感じます。

…長くなってしまいましたが、つまり、これから世の中の働き方の動きとしては、「個」がどんな人で、どう生きていくかが、さらに大事になっていくということがこの流れから言いたかったことだと思います。

そのために、私たちは自分自身がどんな人なのか?何が好きで何がビジネスのアイデンティティで、どんなことで他人に影響を与え(他人のために時間を使い)、日々の仕事が社会にどんな変化をもたらしているか、意識しつづけることが働くことの幸せにつながっていくのではないか、という提言だった、と私は理解しました。

そんなに難しく考えなくとも、それぞれの人が自分に合った生き方、働き方を安心してできる世界になればいいなと思いますし、そのために動いていきたいなと、改めて感じました。

が、もし、これからさらに個々人のもつ個性、特徴、意思を大切にする社会になっていくとすれば、自分自身に向き合う機会も増えるでしょう。自分の幸せとは何か、自分とはどんな存在か、向き合うときに、カウンセリングや心理的なサポートを必要とする機会も増えると思います。

カウンセリングの重要性を改めて感じられた、そんなイベントでした。

【Q&A】上手い気持ちの切り替え方はありますか?

こんにちは、EASE Mental Management カウンセラーの三瓶 真理子です。

質問されることの多い悩みや疑問に、例えばどんな風に答えるか?

Q&Aでお答えしていこうと思います。





Q:仕事がうまくいっていないとき、自分の出来ていない部分ばかり考えてしまいます。
 上手い気持ちの切り替え方はありますか?


A:こんにちは。ご相談いただきありがとうございます。

  気持ちの切り替え方、いろいろお話ししたいことはありますが、こんな方法はいかがでしょうか。




  今の状況でもできていることがあるとすれば、それはどんなことでしょうか?

  例えば、こんなに嫌な仕事なのに、毎日会社には行っている、とか

  その課題を真剣に考えて、こうやって相談したり解決法を調べたりしている、とか

  毎日会社に行って、何かしら仕事はしている、とか、

  仕事がうまくいっていないときがあるということは、今までうまくできていたこともあるとか、

  3年前と比べたらやれなかった仕事をしている、とか、

  うまくいっていない中でもこの分野の仕事はうまくやれている、とか。

  あなたが何かしらやれていることというのはあるものです。




  自分で探しても見つからないですか?

  自分では当然のことすぎて見つからない、もしくはできているとは思えない、でしょうか。

  カウンセラーは、あなたが頑張っていることやできているところを探して認めるプロなので、

  あなたが気づいていない努力や長所を、伝えることができるかもしれません。




  仕事がうまくいっていないとき、自分の出来ていない部分ばかり考えてしまうとしたら、

  自分のうまくやれている部分を意識して想起してみる方法を試すことができます。

  うまく想起できないとしたら、カウンセリングが十分にお役に立てると思いますので

  どうぞ連絡をください。

  一緒に上手い気持ちの切り替え方を習得していきましょう!

「どうしてあの人ばかり…」嫉妬や妬みを飼いならす方法

「あの人より私の方が実力があるのにどうして…」
「あの人と自分に差はないはずなのに、あの人の方が取り立てられているのは、何が違うっていうんだ!」

仕事やプライベートで、こんな風に悔しく思うことはないですか?

悔しがる女性

「あの人はズルい」というのは『妬み(ねたみ、envy)』で、『嫉妬(jealousy)』とは厳密に言うと違います。
嫉妬』は恋愛関係や親子などの愛情がからんだ関係で、今まで自分に愛情が向けられていたのに、自分以外の誰かが出てきたことで愛されなくなってしまうときの気持ちで、
妬み』はもっと広く、相手をが自分にないものを持っていて羨ましいと思う気持ちです。

『妬み』『嫉妬』というのは、感じるととても苦しいです。
相手が持っているものが自分には無い、と思うのもなんだか悲しくなりますし、今まで当然あったはずの愛が自分から離れていく、というのはある意味恐怖です。

しかし、『妬み』は人の生存本能に関係しています。
自分がいる集団の中で重要な人になりたい必要とされていたい優位な地位でありたい、という欲は、古来から自分が生き残るために必要な欲であり、本能だと言います。

運動会

『妬み』があるおかげで、より良くなろう、成長しよう、という欲も出てくる、重要な役割を持った感情なのですね。

とはいえ、『妬み』や『嫉妬』を感じているときの苦しさは早く無くしたいですし、あまり感じたくないものです。コントロールする方法はないのでしょうか?

嫉妬や妬みを飼いならす方法① 時間軸を変えてみる

嫉妬や妬みを感じるときは、
「なぜいつも…」「また…」など、その状況が不変でずっと続くものと捉えていることが多く見られます。
しかし、「今、〇〇はいい思いをしている」「今は、〇〇だ」のように、過去や未来を切り離してその状況を捉えると、見方が変わります。

「ズルい」「悔しい」と思った時に、「今に見ていろ!」と奮起し、成長に向けた行動をすることを専門用語で『昇華』と呼びますが、「もっと成長して見返してやる!」と将来に目線をスライドすることでも、妬みや嫉妬を感じる時間を減らすことができるでしょう。

嫉妬や妬みを飼いならす方法② 例外を探す

「いつも…」「また…」と考えると嫌な気持ちになりますが、実は自分も評価をされたことや、相手と同じような体験をした、など、例外はなかったでしょうか?
少し前に、自分もたくさんの人から好意的な言葉をかけてもらった、とか、自分を深く理解してくれた人がいた、とか、「いつも…」「また…」を覆す、例外の出来事を探してみることも有効です。

嫉妬や妬みを飼いならす方法③ 今の状況のプラスの面に目を向けてみる

今の立場だからこそ、得られているものは何か無いでしょうか。
今の立場だからこそ、妬ましい相手のアラが見えていて、自分がそうなった時には気をつけよう、と学べるかもしれません。
相手にはない、「持たない自由」を手にしているかもしれません。

妬みや嫉妬は、望遠鏡を覗いているようなものだと言います。
望遠鏡を覗いているときは、相手の好ましい部分が強調されてよく見えますが、自分のことは視野に入らなくなります。

妬みや嫉妬を感じたときは、「生存本能!」「望遠鏡!」と思い出して、手元をよく見てみると楽になるかもしれませんね。

気が乗らない仕事のモチベーションを上げる5つの方法【その5】

気が乗らないパターン⑤ 結果に魅力を感じず、面倒なとき

幼い頃の宿題や、仕事の上でのルーチンワークなど、
それをしたからといってプラスの結果がすぐに目に見えるわけではないとき、
作業をするのが面倒で、ついつい後回しにしたり、
一時的に気を紛らわせるもの(ゲーム、間食、お酒、タバコなどの嗜好品など)に
気持ちがそれてしまったことが、誰しも一度はあるのではないでしょうか。

勉強に集中できない女の子

自制して仕事をまっとうしなければ、と気持ちを奮い立たせるものの、
なかなか進まずに自分を責めたり、自分を情けなく思うこともあるかもしれません。

宿題やルーチンワークに意義を感じ、楽しんでできれば一番良いのですが、
「後で損をするのを避けたい」ということがモチベーションの場合、
〇〇を避けたい、〇〇になりたくない、という「回避」のモチベーションは、
〇〇したい、〇〇になりたい、という「接近」のモチベーションよりも、
長続きしにくいと考えられています。

かける労力>得られる結果、に感じられる課題の時、
なかなかモチベーションが上がらない場合は、どうすればよいのでしょうか?

・「試しに〇〇(だけ)してみよう」で行動する

 

作業に取り組む前に、色々頭で考え始めると、
どうしても「(かける労力>得られる結果)=面倒くさい⇒やらない」
の思考になりがちです。
あれこれ考えるのを止め、
「とりあえず、作業ファイルを開いてみよう」
「試しに冒頭だけ作業してみよう」と、
試しに◯◯だけ(行動)してみよう」のスタンスで動いてみましょう。
◯◯、は負担に感じないほど小さなステップであること、
また、必ずなにかしら身体を動かしてみる行動してみる、という点がポイントです。

 

・環境を変える

本棚

カフェに行ったり、部屋を変えたり、作業する以外に選択肢がない、という
環境にしてしまうのは、もちろん有効です。

また、作業をスタートしようと思ったときに、労力をあまりかけ
とりあえずやれてしまう、という状態になるよう、身の回りを整えてみましょう。
例えば、必要な資料は一番作業場所に近いところに置いておく、
フォルダやファイルをすぐに開けるようにしておく、などの工夫もできます。

・他のテンションが上がるものと組み合わせる

 

例えば、その仕事の日の昼食は高級弁当を食べる、
普段は行かないホテルのラウンジやオシャレなカフェで仕事をする、
好きな仕事仲間(メンバー)とのミーティングを挟む、
少しリッチなコーヒーを飲む、
使う小物を見るだけで気分が上がるものに買い換える、など、
自分にプラスの感情をもたらすものと抱き合わせにすることで、
「回避」のモチベーションではなく、長続きする「接近」のモチベーションを
組み入れてしまうのです。

コーヒーブレイク

思い悩んだり、無理やり奮い立たせて頑張ったりすることは、
自分で感じている以上にエネルギーを消費するものです。
「行動」や「プラスの感情」を自分に合ったやり方で組み合わせて、
面倒な仕事もうまく乗り切れるといいですね。

 

気が乗らない仕事のモチベーションを上げる5つの方法【その4】

仕事に気が乗らないパターン④ 付随するリスクを恐れているとき

 

倒れる女性

例)Dさんは、日頃の努力が認められて、願ってもない大きな仕事のチャンスを得ました。
以前から「いつかはチャレンジしてみたい」と思っていた仕事で、そのチャンスが巡ってきたことはとても嬉しいのですが、
失敗したらどうしよう
「成功して多くの人の目に触れたら、本当は実力のないことがバレてしまうのではないか
などと考えてしまい、取りかかる気持ちになれない自分にとても焦りを感じています。
「こんなことではいけない」と自分を奮い立たせるのですが、いざ仕事を進めようとすると同時に言いようのない不安や焦りが起こり、その気持ちの葛藤に疲れてしまい、なかなか前に進めません。
そんな自分を自分で責め、自己嫌悪を感じてしまいます。

Dさんのようなケースでは、モチベーションの素となる「〇〇したい」という気持ちはあるものの、
それと同じくらい「リスクを避けたい」という気持ちが働き、
エネルギーが拮抗して身動きが取れなくなっています。
目標に接近したいというエネルギーと、リスクを回避したいというエネルギーが拮抗し、打ち消し合っている状態なので、エネルギーが浪費され、とても疲れてしまいます。

ヤギの決闘

このようなケースは、インポスター症候群(たとえ成功したとしても、自分に実力があるとは思えず、自分に自信が持てない人々)にもよく見られます。
今まで成功してきたのはたまたま運が良かったからで、今回こそは自分の実力がないことが露呈してしまう、と感じてしまうのです。

このような場合、まず一つは、自分が何を避けようとしているのか何を恐れているのかを明確にしてみます。
そして、自分が恐れているリスクは現実的なものか、それが起こる確率はどのくらいか、もしそれが起こったとしても対処する方法があるのではないか、と考えてみます。

失敗を怖いと感じることはおかしなことではありません。
しかし、たいていの場合、それは全ての終わりとはならないことも事実です。
怖くてどうしても向き合うことが難しい場合には、遠慮せずに専門家を頼ってみてください。

積み木を重ねる

もう一つは、それが「できる」と思えると、やれるのです。
自分に「できる」と思えることを、心理学では「自己効力感」と言い、この感覚はモチベーションと大いに関わっています。
この「できる」という感覚を得るには、

今までに(大変だと思ったがやってみたら)できたこと達成したことをリストアップする
■既にできていること、自分の既に持っているものに目を向ける
さらに、少しでも進んだこと、できたことに目を向け、それをとても喜び自分を褒めてあげる
■成功している他の人(特に、失敗を乗り越えて成功した人なら尚良し)を参考にする

といったことを試すことが役に立つでしょう。

また、他の人が自分と同じ体験をしていたら、何と声をかけてあげるか想像してみたり、
体を整える(リラックスする)ようにするのも良いでしょう。

気が乗らない仕事のモチベーションを上げる5つの方法【その3】

仕事に気が乗らないパターン③ 〇〇すべき>〇〇したい、になっているとき

例)Cさんは昔から、あまり周囲に迷惑をかけない、いわゆる“良い子”でした。
成績も比較的良かったCさんは、親や周囲の勧めもあり有名な大学に進学し、卒業後は有名な会社に就職しました。初めは新しいスキルを習得するのも楽しく、やりがいを持って仕事をすることもできていました。しかし、次第に、今おこなっている仕事のどこに意味や価値を見出せば良いのかわからなくなり、仕事へのやる気がわかなくなってしまいました。

後ろ姿のビジネスマン

このパターンは、企業のカウンセリングでよく見られる典型的なパターンです。
Cさんのようなタイプの方は、たいていの場合とても努力家で、周囲の期待を汲む洞察力や協調性に富み、人に迷惑をかけることを嫌います。

真面目に頑張るため優秀な方が多く、周囲からは上手く仕事をしているように見られますが、本当はモチベーションが上がらないのに仕事をしなければならないので、毎日ギリギリの状態です。
そのため、ふとしたきっかけで体調を崩す方も多いのです。

薬

自分が本当に望んでいる価値観や欲求に向かっているときは、自然とモチベーションは高まります。
しかし、「〇〇したい」「〇〇になりたい」という気持ちから仕事をしているのではなく、「〇〇すべき」「〇〇しなければならない」状態になっている場合、モチベーションは上がりにくいものです。

上記のようなケースでは、その仕事の中に「意義」や「やりがい」を見出すのも一つの方法でしょう。改めて考えてみると、その仕事の中にも自分のモチベーションの源となるポイントが隠れていたことに気づき、道が開けていく場合もあります。
一方、その仕事の中には自分の本当に求めていたことは無かった、と気づくこともあります。

どちらにせよ、こういった場合では、一度時間をとって自分の価値観や欲求を見つめ直し、自分の意志で仕事と折り合いをつけることが大切です。

この、腑に落ちる感覚や、仕事に対する納得感を得るには、家族や友人、先輩や上司などの心を許せる人に相談することの他、こころの専門家である臨床心理士や、キャリアコンサルタントなどの専門家が助けになるでしょう。

気が乗らない仕事のモチベーションを上げる5つの方法【その2】

気が乗らないパターン②「何のために」「どこに向かって」いるのかわからないとき

例)Bさんは、もはや日課となっているいつもの仕事を、今日も1日おこなっています。
慣れているので効率よくこなすことができ、達成感はそこそこあるのですが、
やる気や意欲があるか、というと胸を張ってYESと言えないのが正直なところです。

このようなケースは、自分のおこなっている仕事が
「何を目的としたものなのか」
「どうなることを目指したものなのか(目標・方向性)」

という指標が曖昧になってしまったため、
モチベーションが上がらなくなった可能性があります。

このことには、2つの側面があります。

仕事自体の目的や目標、方向性

この仕事が社会の中で、もしくは組織の中で
どんな役割を担っていて、誰のためになっているのか。
もしくは、より効率的に、さらに望む結果を拡大するために
今、何をする必要があるのか。
このような仕事自体の目的や目標、方向性が、
忙しい日々の中で、だんだん曖昧になってしまうことはよくあることです。

このような場合は、

■そもそもその仕事を始めた時のきっかけを思い起こしてみる
■自分の仕事が誰の役に立つことかを明確にし、できればその相手と話してみる
■上司や先輩など、自分よりも経験のある人に相談してみる

などがモチベーションを回復させるヒントとなるでしょう。

自分の人生の目的や目標、方向性

仕事は、たくさんのものを私達に与えてくれます。
例えば、『経済的な収入』、『社会の一員としての役割』、
『人とのつながり』、『地位や名声』、『自分の新たな可能性』などです。
(もちろん、中には受け取りたくないストレスなどもありますが。)

しかし、自分は仕事によって何を得たいのか?
生活の中で、もっと言うと人生の中で、何を大切にしたいのか?
といった仕事
に求めるものや人生や生活における優先順位が曖昧になっている場合も、
モチベーションが下がることがあります。

このような場合は、
キャリアコンサルタントや臨床心理士などの専門家に相談し、
自己を知るきっかけとすると、新たな可能性が見えてくるでしょう。

また、目的も目標もはっきりしているけれど、
前に進んでいるのかどうかが確認できないときも、
モチベーションはなかなか上がりません。

自分の努力が実になっているのかがわからなければ、
そのことをやり続けるのは難しいものです。

そのような場合は、

■目標を『日』単位で達成できるくらいのスモールステップにし、日々の達成感を得る
■昨日しなかった新たなチャレンジをしてみた、新たな発見をした、などの意識の変化を、
その日の成果や報酬とする(記録するとさらに効果的です)

などが、モチベーションを上げる助けとなるでしょう。

(その3に続きます)

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