【動画】COVID-19とメンタルヘルス

先日出演させていただいたBUNKER TOKYO SUSTAINABLEさんのオンラインイベント『COVID-19とメンタルヘルス』が動画配信されています。

「自宅作業でモチベーションを保つ方法は?」「不安への対処の仕方」「うつうつとした時にすると良いことは?」などの質問に回答しています。
今回、ご縁があってイベントに参加させていただきましたが、BUNKER TOKYO SUSTAINABLEさんは他にも『【LGBTQ+】ジェンダー平等とサステナビリティ』『徹底比較!世界と日本、COVID-19による国の対応は!?』 などのタイムリーなテーマを扱ったイベントで、貴重な話を配信されています。サステナビリティやSDGsに興味がある方にもお勧めしたいですね。

嫉妬や妬みの感情の正体を知れば対策もできる?

こんにちは、公認心理師・臨床心理士の三瓶真理子です。
心理師といえど人間なので、持ちたくもない感情に悩まされることはあります。
最近気になっていたのは「妬み」の感情。正確に表現すると、「羨望」と「嫉妬」の感情です。

調べていくと、神戸女学院大学の中里浩明先生の一連の論文に行き当たりました(中里浩明.神戸女学院大学論集.1991-1993)。
上記の論文から定義を借りると、羨望は「人が他者の持っているものを欠いている場合に、それを持つことを望むか、他者がそれを持たなかったことを願う」ときに感じるもので、嫉妬は「ライバルのせいで他者との重要な関係を失うことをおそれるか、失ってしまった場合」に生じるものだと言います。
また、どちらも「社会的な比較」から生じるもので、つまり、他人と自分を比較して、何かを持っていないことで自分が劣っていると感じたり、自分が選ばれないことで自信を喪失する、どちらも「自尊心の喪失」にかかわることだというのです。

この記述を見つけて、嫉妬や妬み、羨望のつらさの理由がわかったように感じました。
自尊心の喪失、つまり自分が価値のある人間だと思えない、というのはとてもつらいことです。
自分には価値がない、と思うことはとてもつらく苦しいことなので、この状態に置かれた人は、何とか対処しようとします。

嫉妬と妬みの対処の仕方については、以前にもコラムを書いています(「どうしてあの人ばかり…」嫉妬や妬みを飼いならす方法(2019.04.29))が、上記の論文からさらに対処の仕方を抜き出してみると、
・自己定義の変更…嫉妬や羨望は、自分にとって大切だと思う領域で、他者との比較が起こったときに感じる感情だと言います。なので、その領域を自分にとって大切ではない、と感じればつらい感情が減弱される訳です。
例えば、「あの人はプログラミングスキルはちょっとできるかもしれないけれど、でも自分が今後勝負していきたいのはマネジメントスキルだし」と考えたり、「あの人は仕事では上手くいっているかもしれないけれど、プライベートは自分の方が充実しているもんねー」と考えたりするのがこれにあたるかもしれません。
・比較人物との関係性の減少…相手と合わない、関係を持たない、など相手をシャットアウトしてなるべく見ないようにすることで、つらさを感じないようにする方法です。
・ライバルのこき下ろし…「あいつなんてたいしたことない」「こんな欠点がある」「だから自分の方が優れている」と相手を価値下げすることで自分の価値を保とうとする方法です。
・他者の成功要因の再帰属…相手が良い目を見ているのは相手が優れているからではなく、たまたま運が良かったからだ、と考えたり、相手と同じ環境にあれば、自分だって同じようになれるはず、などと、ライバルの成功要因を捉え直すことで傷つきを抑える方法です。

上記などに分けられます。これが良いか悪いかということはまた別ですが、このように考えたり対処したりすることで、ひとは自分の傷つきを癒そうとするのですね。

上記はどれも、対処という面ではつらさを和らげるかもしれませんが、根本にあるのは自尊心が傷ついた、という経験です。
傷ついた自尊心を癒し、肯定的な自己評価を回復することに、サイコセラピー、カウンセリングはとても役に立ちますし、何よりも自分自身の価値を感じられたり、自分を肯定的に捉えられた方が自分も楽になり、成長もできますよね。ひとはひと、自分は自分で大丈夫なんだ、という体験への変化が、サイコセラピーやカウンセリングの中ではよく起こります。なのでやはり、サイコセラピーやカウンセリングは素敵だな、と心理師としては思ったりします。

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