お茶の水女子大学で講義をしました

お茶の水女子大学の心理学専攻の学生さんに向けて、『産業領域の心理職の仕事・キャリア・やりがい』というテーマで講義をしました。
このご時世なので、カウンセリングオフィスからZoomを使用しての講義です。

臨床心理士は全国に約32,000人(2018年時点)、公認心理師は約27,000人(2019年時点)いますが、『働く人』を対象とした『産業領域の心理職』というのは、そのうち6%ほどと少なく(日本臨床心理士会2016年調査)、また、カウンセリングオフィスを開くなど『開業』機関で働く心理職も、同様の6%程度です。
大半の心理士(心理師)たちは、教育(スクールカウンセラー)や医療(病院など)の領域で働いていますが、それ以外のキャリアの選択肢も学生の皆さんに知って欲しい、とのご依頼で、働く人を対象にした心理職の仕事やキャリアについて、今回お話しした次第です。

時々、いろいろな大学からご依頼を受けて心理職のキャリアについてのお話をする機会があるのですが、今回改めてお話ししてみて、私が働く方を対象にカウンセリングをしているのは、病気の方はもちろん、健康な方の予防にも携わりたいという思いがあるのだな、と再認識しました。
働く人対象のカウンセリングやメンタルヘルス支援では、8〜9割の方は健康な方です。健康だけれども悩んでいるとか、健康だけれどもストレスをマネジメントしたいとか、健康だけれども部下や周りの人がメンタル不調を抱えているとか、カウンセリングやメンタルヘルス支援が、健康な人にも幅広く開かれていて、だからこそ大きな不調にならないうちに未然に防止する土壌を作ることができます。
そして、未然予防の領域で、心理職が役に立てることは、とても多いのです。
ストレスマネジメントに関する研修や、組織の体制づくり、人事・管理職・産業医や保健師などの専門職へのサポートや情報提供など、働く人へのカウンセリングやコーチングという枠に留まらずに、体制や土壌づくりに貢献できることは、産業領域の魅力の一つです。

ただ、この領域に関わる心理職が多くないが故に、実態が知られにくかったり、心理職内での産業領域に対するハードルが上がっていて、「産業領域でカウンセリングをするのは難しいのではないですか?」という学生や心理職の声を聞くこともあります。
そういった声に対して、わかりやすくこの仕事の実情ややりがいを伝えていくのも、今の自分にとって、やりがいを感じる活動のひとつです。

産業領域の心理職の 仕事・キャリア・やりがい

【中目黒散歩】センス溢れる食器と植物のお店『KINTO STORE Tokyo』

カウンセリングオフィスのある中目黒で、カウンセラーがお勧めするお店をいくつか紹介します。
カウンセリングの前後でどこかに寄りたいな、と思ったときにご参考になさるのも良いかもしれません:)

中目黒駅から徒歩5分、カウンセリングオフィスからは徒歩2分の場所にある、『KINTO STORE Tokyo』さん。
値段も手頃で使いやすく、洗練されたデザインの食器と、素敵な器に入った植物を揃えている生活雑貨のお店です。

眺めていると、その食器や植物を部屋に置いたときの心地の良さが想像できる感じがして、オフィスでも来客用の食器をいくつか購入させていただいています。
こちらの植物も、ゆくゆくはオフィスに置きたいな…

元々は、滋賀県彦根市で創業されたそうです。

『こころ満たされる豊かな日常』がコンセプトとのこと。この空間からもその雰囲気が伝わってきます。

KINTO STORE Tokyo
kinto.co.jp/pages/stores#tokyo

職場のメンタルヘルス対策をあらためて学びに行く

2019年9月〜11月の6日間、東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野が主催する、職場のメンタルヘルス専門家を養成するための研修プログラム、TOMH(UTokyo Occupational Mental Health Training Program)の基礎コースRを受けに行ってきました。

前々職のEAPのカウンセリングセンターにおいてや前職の企業内カウンセラーとして企業のメンタルヘルス対策に携わり、独立してからはその経験を元に企業様と取り組んできたので、経験とひと通りの取り組み方の指針はあるものの、では最新の取り組み方は?数ある企業の、その特徴に応じた取り組み方と、共通するやり方・考え方は?…など、ここであらためて言語化・体系化されたものを学ぶことで、企業のメンタルヘルス対策の取り組みのご提案を、ひとつレベルアップさせたい、整理したい、と思ったことがきっかけです。

TOMHのプログラムは、企業の内外で企業・職場のメンタルヘルスに携わる、人事担当者、産業医、保健師、心理職など42名のプロフェッショナルが全国から集まり、それぞれの取り組みをシェアしつつ、この分野で第一線を走る東京大学の川上憲人先生、慶應大学の島津明人先生などの素晴らしい先生方から最新の職場のメンタルヘルス対策の知見を学べる、とても内容の濃い、温かな、充実感のある研修でした。

温かな、というところがひとつのポイントで、先生方も参加者の皆さんも、さすがメンタルヘルスに携わる方々だけあって、ご自身の健康さと、ユーモアと、多様なものを受け入れる器と、関わる人たちへの愛情をもった、素敵なコミュニティでしたので、私もとても癒された気持ちです。

修了証
とても温かな先生方!

企業・団体でメンタルヘルス対策に取り組まれていて、何からおこなったらいいかわからない、自信がない、今後のためにも職場のメンタルヘルスの進め方を勉強して身につけたい!という企業の方、産業保健専門職の方、企業のメンタルヘルス担当者の方などにはおすすめしたい研修です。 

心理療法研究の国際学会@ポーランドに行ってきました

9月18日〜23日まで、ポーランドのクラクフ(Kraków)という街で行われた心理療法の国際学会のカンファレンスに行ってきました。

Society for Psychotherapy Research(SPR) 5th JOINT EUROPEAN & UK CHAPTERS CONFERENCE(長いですね…)と言います。

心理療法で変化を起こすには、何が重要なポイントになるのか?
何があると心の回復はうまくいくのか?
そういったことを世界中の研究者が集まって発表したり意見交換したりしている場です。

世界の研究者や臨床家がスタンダードに使う言葉(例えば“愛着”の話は当然のように出てきます)やメインに使っている心理療法の話、また難しいケースは国を問わず同じなのだな、などの気づきや視野の広がりを感じました(とはいえ、世界は広い!学ぶことは沢山ありますね)。

今回の会場になったクラクフという街はとても美しい街で、ポーランドの首都がワルシャワになる以前の首都であり、大戦であまり破壊されなかったため、ヨーロッパの古い建築がしっかり残っている、非常に観光し甲斐のある街です。

治安も良くて、食事も美味しくて、物価も安くて、人々も非常に親切で、素晴らしい街でした。日本からはワルシャワ経由で13時間くらいです。旅行先としても、自信をもってお勧めします!

世界最先端の電子国家エストニアに学ぶ、これからの働き方

Forbes JAPANさんのイベント、「電子国家エストニアに学ぶ、働き方の哲学」に参加してきました。

バルト三国のひとつエストニアは、行政の(ほぼ?)全てのシステムが電子化されている世界最先端のIT国家だそうで、彼らの働き方、あり方に日本や世界の未来が見えてくるんじゃないか。そんな風に考えて、学びに行きました。
とても興味深く、新鮮な内容が沢山あったので、メモをシェアできたらと思います。

・最先端のIT国家だからといって、きらびやかなイメージではない。バックグラウンドのデータが、全て電子化されている。
・ブロックチェーン化されたデータは透明性が担保されているため、全ての人がチェックできるようになっている。なので不正ができない。信用することが可能。
・これからは信頼を重視する社会になっていく。

・エストニアには森が沢山あり、皆、森や島で遊んだりしている。
・人々の生活を豊かに、幸せにするために電子国家になった。エストニアの成功要因は、技術があったからではない。技術自体は日本の方が進化しており、技術者も日本の方が多い。何のために(=幸せのために)電子化をするのか、から始まったということは大きい。
・エストニアは人口約130万人。全て日本のマイナンバーのようなIDで一元管理している。
・Skypeはエストニアの企業。
・どうしたら日本の電子国家化が進んでいくか?何か新しいことを始める時に、「他の人がやっているかどうか」「既に事例があるか?」ということを気にしていると新しいことは進んでいかない。スタートアップのマインドセットを持つことが必要。「守らないこと」が企業の成長戦略の一番の柱になる。
・そのうち、社員という制度もなくなっていくだろう。プロジェクトベースの働き方が主流になっていく。
・個(自分のアイデンティティ)を守っていくためには、他と比較しないこと。自分なりの幸せを追求し、自分の幸せな生き方を追求していくことが大事。
・土地に依存しない生き方が主流になった時に、反対に人との繋がりは強くなっていくだろう。
・エストニアでは幸せを追求した時に、それはお金に寄らないものになっていく。
・誰にでもできる仕事は断り、他の人にもできる仕事はやらず、面白いからやる、というスタンス。
・時間という有限の、全ての人に与えられた資産を使い、どれだけ社会に変化を起こすことができるか、貢献ができるのか。
・変化を起こすときに、どう合意形成をするか。金、労(働く人)、言(マスコミ)と合意しておくことがスムーズな合意形成につながる。
・何かを決めるとき、合意形成をするときには違う意見が出てくることが当然で、その違う意見を交換して壁打ちして、合意を練っていくというプロセスが大事。

いかがでしょうか。
個人的には、「社員という制度がなくなりプロジェクトベースの働き方が主流になる」というのはなるほどなぁと思いました。複業解禁の企業も増えてきていますし、実際、既にプロジェクトベースで仕事を行っている企業や業種もたくさんありますものね。特に、最近は珍しいことではなくなってきているように感じます。

…長くなってしまいましたが、つまり、これから世の中の働き方の動きとしては、「個」がどんな人で、どう生きていくかが、さらに大事になっていくということがこの流れから言いたかったことだと思います。

そのために、私たちは自分自身がどんな人なのか?何が好きで何がビジネスのアイデンティティで、どんなことで他人に影響を与え(他人のために時間を使い)、日々の仕事が社会にどんな変化をもたらしているか、意識しつづけることが働くことの幸せにつながっていくのではないか、という提言だった、と私は理解しました。

そんなに難しく考えなくとも、それぞれの人が自分に合った生き方、働き方を安心してできる世界になればいいなと思いますし、そのために動いていきたいなと、改めて感じました。

が、もし、これからさらに個々人のもつ個性、特徴、意思を大切にする社会になっていくとすれば、自分自身に向き合う機会も増えるでしょう。自分の幸せとは何か、自分とはどんな存在か、向き合うときに、カウンセリングや心理的なサポートを必要とする機会も増えると思います。

カウンセリングの重要性を改めて感じられた、そんなイベントでした。

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